MBTIを作ったのはユング?母娘の開発と1921年・1943年・1962年の違い

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MBTIについて読んでいたら、ユングという名前が出てきた。
別の説明には、マイヤーズとブリッグス。さらに「母と娘が開発した」とある。

あれ? 作った人、結局だれなの?

まず答えから。MBTIは、ユングの心理学的タイプ論を土台に、キャサリン・クック・ブリッグスと、その娘イザベル・ブリッグス・マイヤーズが開発したものです。

ユングが、そのまま現在のMBTIの質問紙を作った、という一人分の話にはまとめません。理論の出発点と、検査として形にしていった仕事を分けると、人物の名前がつながります。

そして、1921年、1943年、1962年という年も、同じ出来事の別の言い方ではありません。それぞれの年に、何が説明されているかを付けて読んでいこう。

今回はタイプ別の人物像を当てる記事ではなく、MBTIの成り立ちをたどる入門です。開発に関わった側の公式説明を中心に確認します。その説明と、理論や検査への独立した評価は、同じものとして扱わないようにします。

目次

ユング、キャサリン、イザベル。まず三人の役割を並べよう

日本語の説明だけでも、マイヤーズ、マイアーズ、ブリッグスなど、似た名前が続く。慣れるまでは、姓だけを見ても頭の中で混ざってしまうよね。

そこで、最初のメモは人物ごとの役割で分けてみよう。

人物 ここで押さえる役割
C. G. Jung(ユング) MBTIの土台となった心理学的タイプ論を著した人物
Katharine Cook Briggs(キャサリン・クック・ブリッグス) 人のタイプを研究し、ユングの理論を学んだ母
Isabel Briggs Myers(イザベル・ブリッグス・マイヤーズ) 母とともにMBTIの開発に取り組んだ娘

Myers & Briggs Foundationの歴史紹介は、キャサリンが独自に人のタイプを考えていたこと、1923年のユングの著書の英訳を受けて、その理論を学び、イザベルへ影響を与えたことを説明しています。

娘が突然、何もないところから四文字の表を思い付いた、という筋書きではないんだね。一方で、キャサリンがユングの本を読んだことだけで、質問紙の開発まで全部終わったとも読まないようにします。

「理論を読む」「考え方を発展させる」「検査を作る」は、つながっていても違う仕事。その間を省略すると、ユングの著書とMBTIの検査が、同じ物のように見えてしまいます。

説明するなら、「ユングの理論をもとに、ブリッグスとマイヤーズが開発した」と、もとになった理論と開発者を一緒に置けばよい。人物を一人だけ選んで正解にする必要はないよ。

名前を確かめるときは、日本語の表記の揺れだけを追うより、英語の名前も隣に書いておくと見比べやすくなります。特にBriggsがイザベルの名前にも含まれているため、単語が同じというだけで同一人物と判断しないようにしよう。

このあと紹介する英語の本『Gifts Differing』にも、Isabel Briggs Myersの名前が載っています。歴史紹介に出てきた開発者と、本の著者がつながるところです。

著者名が分かったら、どんなことを書いた人なのかを、紹介記事だけでなく著作から知りたい。そんな読み方へ進む入口になるね。ただし、本の著者として確認できたことと、本文の主張を全部確かめたことも別です。

出典:Myers & Briggs Foundation「Our Legacy」、Hachetteのイザベルの著者紹介。

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1921年・1923年・1943年・1962年は、何の年?

成り立ちを調べるとき、年号が違うページを見つけると、「どちらが正しいんだろう」と止まってしまう。

そんなときは、まずその年の後ろを読んでみて。著書の出版なのか、翻訳なのか、検査の開発なのか。主語と出来事が違えば、年が違っていても直ちに矛盾とは言えません。

今回確認した公式資料を、出来事と組にするとこうなります。

年 公式資料で説明されている出来事 参照した資料
1921年 ユングが『Psychological Types』を出版 The Myers-Briggs Companyの沿革
1923年 同書の英訳が出版され、キャサリンが理論を学ぶ契機になる Myers & Briggs Foundationの歴史紹介
1943年 MBTIの最初の版が開発される The Myers-Briggs Company「MBTI Facts」
1962年 Educational Testing Serviceが更新された版を出版 同「MBTI Facts」

なるほど、全部を「MBTIが生まれた年」とだけ呼ぶと、話が混ざるんだ。
1921年は理論の著書、1943年は検査の初期版、1962年はその後の出版の節目として読めます。

日本MBTI協会の特徴紹介には、1962年に初版が完成したという案内もあります。米国の説明にある1943年を消して1962年だけへ直すのではなく、どの資料がどの段階を説明しているかを残して読むのがよいと思います。

この表は、現物の1921年の本や1943年の質問紙を一つずつ実見して作った資料目録ではありません。公式の沿革・解説を突き合わせた入門用の整理です。質問紙の各版を厳密に比べるなら、その版自体を確認する作業がさらに必要になります。

例えば、調べたことを友人へ説明するなら、「最近SNSで見かけるけれど、開発は20世紀にさかのぼるんだね。ユングの本と検査の開発年は違うんだよ」くらいからでいい。四つの数字を一息で暗記して話さなくても、違いは伝えられます。

学校や仕事で年表を使うなら、年だけの列にせず、「何があったか」「どのページで確認したか」を隣へ。後から別の年が出てきたときにも、丸ごと書き直す前に、出来事の違いを確かめられるから。

それから、検索結果の短い抜粋だけで並べず、本文まで開こう。抜粋では「開発」と「出版」の言葉が落ちている場合もある。資料の一文を長く写すより、自分の言葉で出来事を短く整理して、出典を残すほうが比較しやすいよ。

出典:The Myers-Briggs Company「Our Story」、「MBTI Facts」、日本MBTI協会「MBTIの特徴」。

イザベルの考え方を著作へ進んで確かめたい人には、英語の『Gifts Differing』も候補です。年表のすべてを詳述した伝記として紹介しているのではなく、開発者の著作を読むための一冊です。

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母娘の後にも続いた仕事。古い名前と今の版を一緒にしない

母と娘が作った、と聞くと、二人のところで歴史が完結したように感じるかもしれない。
でも、公式の沿革をその先へ読むと、研究、出版、フォームの更新に関わる人や組織が続いています。

Myers & Briggs Foundationの説明では、1975年にイザベルとMary McCaulleyが、フロリダ州ゲインズビルでCenter for Applications of Psychological Type、略してCAPTを開きました。イザベルが1980年に亡くなった後も、McCaulleyらが活動を担ったと案内されています。

最初の開発者の名前を知ることと、その後の研究や運用を全部二人だけの仕事として語ることは、分けたいね。

The Myers-Briggs Companyの「MBTI Facts」には、1998年のForm M、2001年のForm Qなど、後のフォームの節目も載っています。今回の歴史を知るうえでは、最初の形から更新が続いたと分かることが大事です。

ただし、英語版のフォームの年を見つけたからといって、手元の日本語版の刊行年まで同じと決めないようにしよう。言語、版、実施方法は、それぞれの資料で確かめる必要があります。

本にも検査にも、名前が続いていて中身の版が変わることがある。だから「昔からある」の一言だけでは、いま何を読んでいるかが分からないんだね。

例えば、昔の英語の本に出てくる用語を、現在の日本語のレポートの欄名と照らす場合。単語が似ているから同じ欄、と飛ばす前に、その本の出版情報と、レポートの説明を別々に見ておこう。古い記述を読んだことは、今の操作や採点まで確認したことにはなりません。

そして、長く開発が続いたという歴史だけから、「どんな用途にも有効」とは言えません。歴史を知る問いと、使いたい目的に合うかを検討する問いは、別に残ります。

自分の結果を振り返るための読書と、他人を仕事へ割り当てる判断とでは、必要な確認も違う。ここで読んだ開発の年表を、そのまま採用や能力評価の根拠へ移さないようにしたいところです。

母娘の始めた仕事を知るなら、その後に何が加わったかまで見る。そうすれば、開発者の本を読む面白さも、今の説明と照らす必要も、両方残せるよ。

興味が湧いた人は、メモに二つだけ欄を作ってみて。「この本が書かれたときの説明」と「現在の公式案内」。同じところも違うところも、分かった範囲で置いていく。違いが出たら、どちらかをすぐ間違いにせず、版と対象を見直す入口にできます。

出典:Myers & Briggs FoundationのCAPTを含む歴史紹介、The Myers-Briggs Companyのフォームの沿革。

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『Gifts Differing』を読むなら、英語・著者・ISBNから選ぼう

開発した人の名前が分かったら、本人の著作も気になる。
紹介文を読むところから始めるなら、『Gifts Differing: Understanding Personality Type』があります。

今回、Hachetteの出版社ページで確認したのは、Isabel Briggs MyersとPeter B. Myersの名前が載るペーパーバック、ISBN9780891060741です。日本語訳の本として案内しているわけではありません。英語の文章を読んで考え方をたどりたい人向けの候補になります。

出版社は、ユングの考えをもとに、ものの捉え方や結論への進み方、その違いが学校や仕事、人間関係で持つ意味を扱う本として紹介しています。イザベルが関わる著作として、MBTIの土台への関心から読み進められます。

ただ、本を開けば誰もが同じように自己理解が進む、という保証はできません。この記事では全ページを読了した感想や、主張の妥当性をすべて確認した評価はしていません。確認した書誌と出版社の紹介に基づく候補です。

歴史を知りたい気持ちがあるからといって、すぐ英語の本を買わなくても大丈夫。まず公式の沿革を読み、理論と開発の違いをメモするところからでも進めます。そこで著作に興味が残ったら、紹介や読める範囲の試し読みを確かめて選ぼう。

本を読むときの問いは、最初から十個もなくていい。「ユングの理論をもとに、マイヤーズは何を説明しようとしている?」という一つの問いから始められます。分からない言葉があったら、ページと語を残して、前後の説明へ戻る。

タイプ名だけを拾う読み方から一段進んで、どのような考え方で区別しているのかを見る。自分や友人をその場で分類する課題にしなくても、理論の説明を読むという楽しみ方があります。

著者一覧にも注意してね。歴史の入口で出てきた母はKatharine Cook Briggs。一方、今回の本の出版社ページにある二人の名前は、Isabel Briggs MyersとPeter B. Myersです。表紙や商品欄に名前が二つあるからといって、「母娘二人の名前」とそのまま受け取らないようにします。

同じ本を探す場合は、書名と著者、ISBN9780891060741を一緒に見ると確認しやすいです。検索結果に電子版、古本、ほかのタイトルが混ざっていたら、読みたい言語と商品形態を確かめよう。説明が日本語で書かれた販売ページでも、本自体が日本語とは限らないからね。

今回、実際に確認できた古本の販売ページには、米国からの発送と、原則として個人輸入での取り扱いが案内されています。国内在庫の新品と同じつもりで選ばず、商品の状態、注文条件、配送案内まで確認してね。同ページ内でも到着日数の説明がそろっていないため、必要な日があるなら販売店へ確かめたいところです。

洋書を買うときは、配送予定も具体的に見ておきたい。取り寄せなのか、今ある在庫を送るのかは商品ごとに違います。読書会などの日程に合わせるなら、到着予定が合うかを見てから。この記事では一律の納期や金額を約束しません。

電子版を選ぶ場合も、紙の本と同じ商品番号だと決めつけず、対応する端末や販売条件へ戻ろう。以前読んだ版のメモがあるなら、その版と今回のものが同じかも確かめておくと、ページを探すときに助かります。

出版社情報:Hachette『Gifts Differing』。

楽天で『Gifts Differing』の英語ペーパーバック・電子版などを確認する

ユングが理論の土台。キャサリンとイザベルが、そこからMBTIを開発した母娘。
ここがつながれば、次に名前を見かけても、もう一つの入口ができます。

四文字を一つ覚える日があってもいいし、その四文字がどう生まれたかへ寄り道する日があってもいい。気になった人の名前から、著作と歴史へ。今の疑問を一つ持って、読んでみよう。

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この記事を書いた人

性格タイプに関する考え方を、自己理解や人との関わりを振り返るヒントとして紹介する編集部です。タイプだけで人柄や相性を決めつけないことを大切にします。

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